1年生算数のつまずきポイント&対処法!繰り上がり・繰り下がりを【図で説明】

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1年生になると算数の授業が始まりますね。大人からすれば1年生の算数なんて簡単だろうと思いますが、子どもをみていると「あれ、足し算が分からない?」「繰り上がりが理解できていない?」「文章題が苦手?」という事態が発生していたりします。ここでは1年生の算数では何を習うのか、どこでつまずきやすいのかをご紹介。さらに、それぞれのつまづきポイントの対処法を解説します。ぜひ、参考にしてみて下さい!

目次

1年生算数は何を習う?どこでつまずきやすい?

まずは、1年生の算数でいつ何を習うのか、学期ごとにご紹介します。息子が公立小学校で使用している教科書を参考にしました。出版社や学校によって多少前後はありますが、順を追って計算ができるように設計されているので、大まかな流れは同じになるはずです。

<1学期>数の概念・数字の書き方・10までの足し算・引き算

1学期は、数字とは何なのか、数と量を一致させることから始まります。そして足し算引き算とは何なのかを学びます。算数の学習の最初の一歩でとても大切な単元ですね。しかし数量感覚が身についていなかったり、足し算引き算の概念が分かっていなかったりすると、式や文章問題といったお勉強感が出た途端に分からなくなることも。

かずとすうじ数字の書き方を習います。また、数字は単なる文字ではなく、数を表すことを習います。
なんばんめ「右から2本目」「右から2本」「後ろから何番目?」などの数え方を習います
★つまずきポイント★「1番目」の位置に要注意
いくつといくつ「5は、2と3に分けられる」「10は、1と9に分けられる」など、10までの数の分解を習います。
かたちまる・さんかく・しかくを習います。形を仲間分けしたり、立体と平面を比べたりします。
ふえる・へる物を合わせると増える、逆に取り除くと減るということを学びます。
たしざん合わせるといくつになるか考えます。式の書き方を習いながら、10までの数で学習します。
★つまずきポイント★絵では分かるけど、式になると分からない?
ひきざん残りはいくつになるか考えます。また、数と数の「差がいくつか」も学習します。
★つまずきポイント★文章問題が理解できない?
かずをかぞえる〇〇は何個、△△は何個、一番多いのは□□、と数を整理し調べることを学習します。

<2学期>繰り上がりのある足し算・繰り下がりのある引き算

「繰り上がり」「繰り下がり」は1年生算数の山場と言っても過言ではないのではないでしょうか。毎日計算カードの宿題が出される学校も多いと思います。また、学年が上がると本格的に学習が始まる「時間」や「図形」「長さ」などの導入部分も学びます。

10といくつ「12は、10と2」「15は、10と5」と分けて、20までの数を習います。
かずのじゅんばん20までの数字を順番に並べます。
たしざん・ひきざん10~20までの数字で、繰り上がらない足し算と、繰り下がらない引き算を学習します。
★つまずきポイント★10のまとまりが認識できていないかも?
なんじ・なんじはんアナログ時計の見方で「〇時」と「〇時半」を習います。
「〇時〇分」は3学期で習います。
くらべてみよう長さ、高さ、かさ(量)を比べる学習をします。
3つのかずのけいさん「1+9-5」など、繰り上がり繰り下がりのない計算を習います。
たしざん(2)・ひきざん(2)20までの数で、繰り上がりのある足し算・繰り下がりのある引き算を習います。
★つまずきポイント★数を分けて、10のまとまりを作ることができるかな?
かたちづくり点と点を繋いだり、たくさんの三角を使ったりして形を作ります。

時計の読み方が苦手だという場合は、下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

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<3学期>大きい数・2桁どうしの計算・文章問題

3学期になるといよいよ数字が大きくなってきます。しかし、計算はできるけど文章問題を読んでちんぷんかんぷんになる子がいるかと思います。最後は1年生算数のまとめに入りますので、2年生に向けて苦手なところがないかもチェックしておきたいところですね。

おおきいかず「54は、10が5つと1が4つ」という風に10のまとまりを使い、大きい数の数え方と書き方を学びます。
100までのかず1~100までの構成と、数の大小を学習します。
100をこえるかず120までの数を習います。
なんじなんぷん「〇時〇分」の読み方を習います。時間の計算は2年生で習います。
たすのかな ひくのかな物語形式の文章問題を読んで、足し算なのか引き算なのかを判断し計算します。
★つまずきポイント★何を問われているのか読み解けているかな?
100までのかずのけいさん100までの数で、繰り上がり繰り下がりのない計算を学習します。
おおいほう すくないほう数の情報が書かれた文章問題を読んで、足し算なのか引き算なのか判断し計算します。
おおきさくらべ2つの面積のどちらが大きいか比べます

つまずき解消法

「なんばんめ」ができない → 「1番目」と「~め」に注意しよう

『1番目』の位置が合ってるか

何番目かを数える時の注意点は、『1番目』の位置です。下図の「×」の例のように、1つ目をスタートとして、1つ移動したところを『1番目』としてしまうことがあるので注意です。いつも「最初にあるものが1番目」であることを教えてあげましょう

なんばんめ

問題文に「~め」が付いているかどうかを見落としていないか

  • 問題1「ひだりから3ぼんめのクレヨンを、せんでかこみなさい。」
  • 問題2「ひだりから3ぼんのクレヨンを、せんでかこみなさい。」

上の2つの問題の答えは全然違ってきますね。下の絵のように「3ぼんめ」は1本ですが、「3ぼん」は3本ともになります。問題文の中に「~め」が付いているかどうか、いつも確認するよう促してあげましょう。

なんぼんめ

繰り上がりのない10までの足し算ができない → 数量感覚を養ってあげよう

1年生算数の教科書を開くと、とくに最初の方はイラストだらけです。それは、式で見るよりもイラストで見る方が分かりやすいからですね。

足し算のやりかた

しかしいつまでもイラストを見て計算するわけにもいきません。式だけを見て計算できるようになるためにはどうすればよいでしょうか。それは、数字を見て、量感を想像できる(数量感覚)ようにすればよいのです。

数字から量を想像する

しっかり数量感覚を身につけ量と量を合わせることが足し算であり、式として表していることを教えてあげましょう。

数量感覚については↓で詳しく説明していますのでぜひ参考にしてみて下さい。

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繰り下がりのない引き算で文章問題につまずいた → パターンを覚えて慣れよう

「ひきざん」では「どちらがいくつおおい?すくない?」という文章問題が出てきます。例えば下のような問題です。

問題「りんごが5つありました。みかんが3つありました。どちらがいくつおおいですか?」

大人にしてみれば安易に答えの想像がつく問題ですが、子どもにしてみれば「?」となります。たとえ「5-3」の引き算ができる子であっても、「どちらがいくつおおいですか?」の意味が分からないことがあるのです。「読解力の問題はどうしたら・・・」と思うかもしれませんが、パターンは限られており、多い方から少ない方を引くのは同じです。何度も問題を解いて文に慣れましょう

(多い方)りんご5つ ー(少ない方)みかん3つ = 2こ

  • 「どちらがいくつおおいですか?」→(多い方)「りんごが2こおおい
  • 「どちらがいくつすくないですか?」→(少ない方)「みかんが2こすくない
  • 「りんごはみかんにくらべて いくつおおいですか? →「2こおおい
  • 「みかんはりんごにくらべて いくつすくないですか?」→「2こすくない

10~20の足し算引き算ができない → 「10のまとまり」を確認しよう

例えば「12+3=」という問題があった場合、12が「10と2」であることが分かっていないと「1+2+3=6」というような答えを出してしまいます。下図のように、「10は、1が10こ」であり、「11は、10と1」であることをしっかり認識させてあげましょう。

10のまとまりを確認する

繰り上がりのある足し算ができない → 過去の単元を復習しよう

まず、1年生の算数で習う繰り上がりのある足し算は、下図のステップで計算します。

繰り上がりのある足し算のステップ

過去に習ったことの総まとめのような方法ですね。中でも《ステップ1》の「あといくつで10になるか」と、《ステップ2》の「数の分解」に慣れることが、繰り上がりのある足し算のポイントになります。スムーズにできるよう、何度も練習しましょう。

「あといくつで10になるか」をスムーズにできるようにしよう

繰り上がりのある足し算は今後の算数だけでなく、生涯にわたって必要になりますね。数字を見たときに、あといくつで10になるのかすぐに答えが出せるようにしておきましょう。

あといくつで10になるか

「いくつといくつに分けられるか」をスムーズにできるようにしよう

数の分解

繰り下がりのある引き算ができない → ステップを覚えよう

1年生の算数で習う、繰り下がりのある引き算のステップは下のとおりです。

繰り下がりのある引き算のステップ

実際の計算は「10-7」と「2+3」ですね。しかし「10-7」と「2+3」の計算ができる子であっても、上の方法を覚えていなければ「どうやってやるんだっけ?」と鉛筆が止まってしまいます。何度も解いてステップを覚えてしまいましょう。

「10のまとまりから引いて、残りを合わせる」というステップを覚える
「10ー〇」の引き算に慣れる

物語形式の文章問題ができない → 流れをイメージできるようにしよう

問題「とりが 4わ いました。そこへ 3わ やってきました。あわせて なんわ になりましたか?」

このような文を読んだときは、1学期で習った「合わせると増える」「取り除くと減る」ことを思い出し、物語をイメージできるようにしましょう。

鳥が三羽やってくる

そして重要なのが、最後に何を聞かれているかです。

  • あわせていくつになりましたか?」→ 足し算
  • ぜんぶでいくつになりましたか?」→ 足し算
  • のこりはいくつになりましたか?」→ 引き算
  • 「いくつのこりますか?」→ 引き算

また、数字の単位も見逃さないよう注意し、解答欄に書くようにしましょう。

  • 問題「なんですか?」 答え「〇
  • 問題「なんまいですか?」 答え「〇まい
  • 問題「なんにんですか?」 答え「〇にん

(おまけ)計算はできるけど、遅い? → 100マス計算がオススメ

自分で計算はできるけど、「なんか遅い気がする・・・。」「こんな速さで大丈夫?」と思ったら、100マス計算がおすすめです。下の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみて下さいね!

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