最近、STEAM教育という言葉を目にすることが増えてきて、流行りの教育なのかな?と思い調べてみました。調べてみると、STEAM教育は「これからの時代に求められる人を育てるための教育」なのだということが分かりました。具体的にはどのような教育なのでしょうか?分かりやすくご紹介していきます!学習に関する教育方針に迷われているパパママは、必見です!
STEAM教育とは?
「STEAM教育」の読み方
「STEAM」は「スチーム」や「スティーム」と読みます。何かの単語ではなく、単語の頭文字を繋げて作った言葉であり、教育方針のことをいいます。
何の言葉を繋げたのでしょうか?それは次の5つになります。
Science・・・科学
Technology・・・技術
Engineering・・・工学
Art・・・芸術
Mathematics・・・数学
「Art」以外の4つは「理系」な感じ。というのが第一印象でしょうか。
なぜこの5つの分野が注目されているのでしょうか?
それは、これからの社会がどういう社会なのかを知ると見えてきますよ。
society5.0という社会がやってくる
society5.0(ソサエティ5.0)って何?と思われる方も多いかと思いますが、私たち人間の社会は、今までsociety1.0~4.0を歩んできているのです。どのような社会だったのでしょうか?
Society 1.0 ・・・ 狩猟社会
Society 2.0 ・・・ 農耕社会
Society 3.0 ・・・ 工業社会
Society 4.0 ・・・ 情報社会
人間の歴史を振り返るとイメージできますよね。今がSociety 4.0(情報社会)で、これから目指す新しい社会がsociety5.0です。society5.0は下記のように、内閣府より定義されています。
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
「仮想空間と現実空間の融合」と言われると、SF映画で見るような近未来的なイメージでしょうか?
具体的には次のように示されていますよ。
- IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、今までにない新たな価値を生み出す社会
- 人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供される社会
- ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服され、人の可能性が広がる社会
- イノベーションにより、様々なニーズに対応できる社会
IoTというのは様々なモノがインターネットにつながることを言います。最近は冷蔵庫やお風呂もインターネットにつながり、遠隔操作ができるようになってきましたね。遠隔操作だけではなく、情報を収集し活用することで、今後新たなサービスを生み出し、提供することもできますね。
これからはますますAIやロボットが活躍し、ネットの繋がりが活用される時代なんですね!
内閣府のホームページにイメージ動画もありますので興味のある方は見てみて下さいね。
内閣府「Society5.0」
STEAM教育は文部科学省が推進している学習
新しい社会である「society5.0」が示されているものの、それに対応できる人材はまだまだ足りていないのが現状です。
そこで文部科学省では次のように、これからの学習を推進しています。
AIやIoTなどの急速な技術の進展により社会が激しく変化し、多様な課題が生じている今日、文系・理系といった枠にとらわれず、各教科等の学びを基盤としつつ、様々な情報を活用しながらそれを統合し、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結び付けていく資質・能力の育成が求められています。
文部科学省では、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)に加え、芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲でAを定義し、各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な学習を推進しています。
文部科学省
AIやロボットを使いこなすだけでなく、創造することによって社会に役立てることができる人が必要なのですね!
STEAM教育の役割とArt(アート)の重要性
STEAM教育は5つの分野の頭文字であると最初にお伝えしました。「科学・技術・工学・数学」これらの分野ではITやロボット、プログラミングなどを学び、問題解決力や判断力を養います。
そして「Art」は、「芸術」のことを指しており、想像力や表現力、デザイン力を養うことを目的としていますが、「リベラルアーツ(教養)」という意味もあります。文部科学省の文章にもあったように「芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等」を含めた広い範囲で「A」は定義されています。
重要なのはこれらの各分野のどれかに特化して学習するのではなく、それぞれの垣根を越えて横断的(総合的)に学ぶ必要があり、そのための「STEAM教育」であるということなのです。
今後ますます複雑化し、多様化していく社会の中において、自ら問題提起をし、技術や知識をもって創造的に解決をする力を養うのが、STEAM教育です。
抽象的な言葉が多くなりますが、少しイメージできてきましたでしょうか?次は、実際の取り組みをご紹介しますよ!
小学校でのSTEAM教育事例
学校でのICT活用
お子様の学校から、児童1人につき1台のタブレットやPCが配布されたという方は多いのではないでしょうか。2021年7月時点では9割以上の小学校で、1人1台の端末が配布されています。学校でのネット環境が整えられ、様々な授業で通信技術を活用した学習が可能になりました。
「ICT」という言葉ですが、最近耳にすることが増えてませんか?「ICT」というのは「IT」に「コミュニケーション」を追加したもので、より繋がりを重視した言葉になります。国際的には「IT」よりも「ICT」という表現がスタンダードだそうですよ。
IT・・・Information Technology(情報技術)
ICT・・・Information and Communication Technology(情報通信技術)
プログラミング教育の導入
子どものプログラミング教育も聞いたことがある人が多いと思います。習い事としても人気が急上昇していますね。
学校でもプログラミング教育が導入されました。新学習指導要領によると、小中高別に下記のように示されていますよ。
小学校 | 文字入力など基本的な操作、プログラミング的思考(理論的に考える力)を育む |
中学校 | プログラミング、情報セキュリティ |
高校 | プログラミング、ネットワーク(情報セキュリティを含む)、データベースの基礎 |
小学校では、プログラミングをするための準備という感じですね。
体も頭も使う!体育×算数・プログラミング
株式会社STEAM Sports Laboratoryが静岡の小学校で「タグラグビー」という、体育と算数・プログラミングをかけ合わせた授業が実施されました。
ラグビーのようなスポーツですが、体を動かすだけではなく、算数やプログラミングを活用して教室で戦略を練ります。
問題認識→原因分析→対策立案→トライ&エラー→振り返り
タグラグビーを通じて思考力・判断力・問題解決能力、また「主体的に取り組む態度」に効果があったそうです。先生は、「体育が苦手な子でも役割を明確に持って参加できる」「AIができること」と「⼈ができること」があることを学ぶ良いきっかけになる」などとコメントされていますよ。
6年生での実証でしたが、今後小学校への導入・普及を図っていくそうです。
オーブントースターの開発体験授業
京都の小学校で、パナソニック株式会社によるオーブントースターの開発体験授業が行われました。
パソコンと連動しているトースターを使い、自分たちのプラバンをキレイに作るにはどうすればよいか、試行錯誤しながら温度や時間をプログラミングするというものです。
身近な家電であるトースターは、比較的ボタンやつまみが少なくシンプルな家電です。しかしその裏には、パンを美味しく焼くためのプログラムがあるということに気づくことができますね。
まとめ
現代の問題である少子高齢化や地域格差の解決を目指し、AI(人工知能)・ICT(情報通信技術)・IoT(人とモノがつながること)などを活用できる人材が求められます。また、新たな技術・サービスを生み出し、発展していくことも必要です。
子どもたちが次の時代で必要とされる人になるために、STEAM教育を意識してみてはいかがでしょうか。